あかずきんちゃん1



むかしむかしあるところに、それはそれはかわいらしい、まるでしんださかなのようなめをしたおとこのこがすんでいました。おとこのこはいつもあかいずきんをかぶっていたので、みんなからは"いーちゃん"とよばれていました。

「いーちゃんいーちゃん、ちょっと来て」
「ん?何だ、友」
「むいー、友じゃないの、お母さんなの」
口の利き方に気をつけるんだね、とおかあさんはくちをとがらせます。

いーちゃんはボロっちいアパートに、あかあさんとふたりでくらしていました。というのも、おかあさんはとてつもなくひきこもらーだったからです。ほうっておくとごはんもたべずにパソコンにぼっとうするなんてことがにちじょうさはんじなのでした。そんなおかあさんのために、いーちゃんはまいにちごはんをつくったりかみをゆってあげたりしているのです。
なんてやさしいいーちゃん。

「で、えっと、と・・・じゃなくて母さん。何?ぼくに何か用?」

きょうもごはんをつくってくれてたいーちゃんがうにょいエプロンをぬぎつつききました。そうなんだよ、とおかあさんはにっこりうなずきます。

「僕様ちゃんたちのおばあちゃんち、分かるでしょ?」
「ああ・・・まあ、それなりに」
「そこにコレを届けて欲しいんだね」

いーちゃんにてわたされたのは、まっかなふうとうでした。

「?何コレ」
「うふふー、ヒミツヒミツ、超ヒミツな極秘資料なんだね」
「ふうん」

何か赤紙みたいだな、といーちゃんはおもいました。

「うん。じゃ、とりあえずコレ、届けてくればいいんだな?」
「そう」
頼んだんだよ、とおかあさんがいいます。
なにせひきこもりですからね。

さっそくいーちゃんはでかけるしたくをして、げんかんにおもむきました。

「・・・それにしても赤頭巾ちゃんなら"あーちゃん"でも良さそうなもんだけど・・・」

「ダメなんだねっ!"あーちゃん"だったら某小説のにゃんこを踏切から助けて義足になってしまったという素敵な少年とカブるんだよ!」

「・・・行ってきます」

なんだかみょうなテンションのおかあさんをひとりのこし、いーちゃんはマンションをあとにしました。


とりあえずはじまり。 あーちゃん分かる人いるのかな?マイナーな・・・!